ムーア人の城跡1
ムーア人の城跡1
世界遺産にも登録されているシントラの景観の中で異彩を放ち、歩くのが苦手な人が来ないのがこの場所。ここへいたるまでの小道が狭隘ゆえ、ロバの背にまたがってというわけにもいかず、徒歩で行くしかない。それでも行って損はない。
 
ここから大西洋が見渡せるし、ペナ宮、王宮、七つのため息の宮殿(パラシオ・デ・セテアイス)も臨める絶好の景勝地なのだから。
 
パラシオ・デ・セテアイスについては「ホテル紀行U」(下のバナー)をご参照ください
 
ムーア人の城跡2
ムーア人の城跡2
ハイキング気分で歩いた。ここに着くまで風はなかったのに、着くやいなやすさまじい風が吹きはじめた。つれあいの髪は強風にあおられて、漫画のライオン丸もどきに逆立った。足を突っ張っていないと身体が吹き飛ばされそうになるほどの風に身の置き所もないありさまであった。
 
強風は20分も続いたろうか。つれあいの顔がこころなしか強ばっているのは強風のせいで、右手を後ろの石にあてがって、風に飛ばされないよう身体を支えているのである。
そうまでして写真を撮ることもなかろうにとも思うが、これが私の流儀なのかもしれない。
 
この時間帯にここまで来たのは、米国からの若いカップル一組と、重そうなリュックを背にした英国人男性だけで、彼らも大西洋や眼下に広がる景観をみて満足げだった。
私たちは1時間ほどいて、大パノラマを心ゆくまで眺めた。
 
キンタ(Quinta)
キンタ(Quinta)
鬱蒼とした森に佇むキンタ(館)は貴族や資産家の隠れ家。館に住むのはヨーロッパの大金持ち。コモ湖畔の別荘も格別であろうが、森に囲まれた住環境も乙なもの。
 
それにしても、ムーア人の城跡から見下ろすと、なんとキンタの多いことか。見れば見るほど目の毒。で、山火事が起こったら恐いか、と思うことにしました。
                             ☆キンタ本来の意味は荘園、大農園
 
マフラ修道院中庭
マフラ修道院中庭
ポルトガルの光と影。その鮮やかなコントラストは、この国が過去の栄光に彩られていたことを記憶にとどめるよすがとなる。
かつてポルトガルは、英国やフランス、ロシアが台頭する前、スペインと並んでヨーロッパ世界の富の中心であったのだ。
 
大航海時代の栄華はまったく影をひそめ、いまは観光立国としてその存在を示している。
過去、どれほど栄えた国や町もいつかは衰えてゆく。栄枯盛衰は世の習いである。
現在わが世の春を謳歌している国や町も例外ではない。
 
マフラ修道院図書室
マフラ修道院図書室
マフラ修道院のあるマフラ(MAFRA)という町は、リスボンから40q、シントラから23qの地点にあり、人口は1万3千人ほど。ところが、町の規模に比して修道院はやたらと大きく立派である。マフラの歴史を偲ばせる唯一の建物が修道院という按配なのだ。
 
マフラ修道院はスペインのエル・エスコリアル修道院を模してつくられたというが、
エル・エスコリアルと較べても遜色のない規模である。王と王妃の寝室が232b離れていたということからも廊下の長さを思い描けよう。
 
図書室(75×25b)の美しい大理石の床、蔵書は特筆に値する。
マフラ近郊にヨーロッパ有数の大理石の産地があるのだ。そして3万8千冊という蔵書数は取り立ててどうこういう数字ではないと思うが、一冊々々の本の装丁の豪華なこと。
これには驚嘆というほかない。
せめて100冊でいいから、表紙と背表紙にふんだんに使われた金箔のおこぼれ‥床に落ちていた金粉‥を拾い集めて持ち帰りたかった。マフラの金粉か、いいなあ。

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