2018年1月15日午後3時過ぎ〜午後4時ごろ 京都市上京区寺ノ内通大宮東入ルにある「妙蓮寺」を拝観しました。
妙蓮寺は日蓮上人の遺訓を受けた日像により1294年に創建されましたが、建立にあたっては五条西洞院の柳酒屋(柳屋)が
日像に帰依し邸内に一宇を建立、卯木山妙法蓮華寺と称したといいます。柳を二つに分けて卯木山、即ち妙蓮寺縁起です。
 
妙蓮寺拝観を思い立ったのは、冬でも咲いている御会式桜(おえしきざくら)を見たかったからで、御会式桜は10月中旬に
咲きはじめ、冬季に3〜4分咲きとなり、4月に満開となる花期の長い桜です。
妙蓮寺山門
妙蓮寺山門は文政元年(1818)、禁裏より拝領し建立されたそうです。
創建以来、妙蓮寺は衰退の一途をたどり、1420年ごろ柳屋の地に再興され、その後「寺域」を四条堀川に移し、
伏見宮家と関係の深い日応僧正を迎え、皇室や将軍足利義尚の参詣が多くなったといいます。
 
天文5年(1536)、叡山など多数の僧俗の襲撃を受け、妙蓮寺ほか同門の21寺が灰燼に帰し堺へ都落ち。
1542年、大宮西北小路に復興後、1587年秀吉の聚楽第造営に際し現在地に移転。1平方キロの境内に
塔頭27を有する大寺院であったようです。1788年の天明の大火災によりほとんどが焼失、
わずかに宝蔵・鐘楼を残すのみでした。現在の妙蓮寺は塔頭8院を有しています。
妙蓮寺山門
御会式櫻 おえしきざくら
桜のうしろに隠れ気味にみえるのは元和元年(1617)建立の鐘楼。
御会式櫻 おえしきざくら
御会式桜
御会式桜
御会式櫻
御会式櫻
御会式櫻
桜の左にみえるのは妙蓮寺本堂。
御会式櫻
御会式桜
御会式桜
妙蓮寺椿
椿の右側に掲示板があり、妙蓮寺椿は「早咲き椿の一種で、古来、茶人・文化人
の間で珍重されてきた品種です。室町時代すでに世に知らされており、当時の
有名な連歌師・自然斉宗祇の歌が残っています。
 
余の花は みな末寺なり 妙蓮寺 」と記されています。
妙蓮寺椿
妙蓮寺椿
妙蓮寺椿
妙蓮寺表書院
表書院を入って行くと奥書院。十六羅漢石庭は奥書院にあります。
妙蓮寺表書院
表書院 しだれ桜
表書院 しだれ桜
しだれ桜
しだれ桜の枯れ木にネコ一匹。悠々と闊歩。
しだれ桜
関山桜
関山という名のサクラ。ヨメイヨシノが散りはじめると咲きはじめる薄桃色の八重桜。
幹だけ見るとたしかに桜の樹ですが、枝の曲がり、入り組みぐあいは老魔女を想起させます。
関山桜
奥書院 十六羅漢石庭
十六羅漢石庭は「奥書院」にあります。
奥書院 十六羅漢石庭
十六羅漢石庭
障子を開けてもらって見ると、東山魁夷の絵のようにもみえます。
一方向からみるのではなく、別の方向からみると庭のようすがよくわかります。
十六羅漢石庭
十六羅漢石庭
十六羅漢石庭は、桂離宮の造園にたずさわった妙蓮寺の僧・玉淵坊日首(ぎょくえんのぼう にっしゅ)による作庭。
中央寄りの大きい青石は臥牛石といい、豊臣秀吉が伏見城から移した石だそうです。
十六羅漢石庭は火災で損傷しましたが、近時に至って造園当時のすがたに復元されました。
十六羅漢石庭
ハクモクレン
3月半ばごろから約2週間がみごろ。見事なハクモクレンです。
ハクモクレン