2018年10月17日15時30分からの参観。 桂離宮の無料参観は10月が最終月。11月から有料になるということで駆け込みが殺到。
桂離宮ガイドが「10月は京都市民の申込みが殺到し、各時刻の参観を2班に分けています。有料発車前の駆け込みです」と言って
京都人(参観者の7割)を笑わせていました。桂離宮駐車場は多くても6台ほどなのに、この日は16台のうち14台が京都ナンバーでした。
 
私は他府県からの参観なのですが、参観最終日になるかもしれません。
2018.10.17
2018.10.17
 
 
2009.5.13 御幸道
2009.5.13 御幸道
 
青っぽい小石を敷きつめ、粘土で固め、道の中央をやや高くして反りをつけている。水はけをよくするのと歩きやすくするためか。
 
2018.10.17 御幸道
2018.10.17 御幸道
 
 
2014.12.9 御幸門
2014.12.9 御幸門
 
 
 
2017.11.28 御幸門
2017.11.28 御幸門
 
 
2013.12.12
2013.12.12
 
御幸門と表門をつなぐ道。
 
2017.11.28
2017.11.28
 
 
2018年10月17日
2018年10月17日
 
池の左に松琴亭が見えます。
 
2017.11.28 外腰掛
2017.11.28 外腰掛
 
 
2010.7.28 蘇鉄山
2010.7.28 蘇鉄山
 
 
2018.10.17 蘇鉄山
2018.10.17 蘇鉄山
 
外腰掛の前は蘇鉄山。男性は宮内庁警察のスタッフ。
 
2017.11.28
2017.11.28
 
 
2008.1.18 蘇鉄山
2008.1.18 蘇鉄山
 
赤いダウンジャケット着用の若い異邦人はルーマニア語をしゃべっていました。
 
2017.11.28
2017.11.28
 
 
2009.5.13 サギ
2009.5.13 サギ
 
 
2011,11,26
2011,11,26
 
右の男性は朋友です。風景をみず、ほかの景色をみているような気がします。
 
 
2014.12.9 州浜
2014.12.9 州浜
 
州浜から松琴亭をのぞむ。
 
2018.10.17 松琴亭
2018.10.17 松琴亭
 
 
2017.11.28 石橋
2017.11.28  石橋
 
松琴亭への石橋の幅は狭く、橋から落下した見学者が多かったことから、橋上の撮影は禁止された。
杖使用の高齢女性が名ガイド小和田さんにリードされています。
 
2013,12.11 石橋
2013,12.11 石橋
 
2013年12月11日参観当時、橋の上からの撮影はまだ禁止されていませんでした。
 
 
2017.11.28 石橋
2017.11.28 石橋
 
 
2018.10.17 松琴亭
2018.10.17 松琴亭
 
 
2013.4.9 松琴亭
2013.4.9 松琴亭
 
桂離宮の名ガイド野村さん。参観者からも、宮内庁京都事務所勤務の女性部下(ガイド)からも人気あり。
 
野村さんは先輩ガイド品川栄一とともに「衣紋道」の継承者。衣紋道は平安時代から伝わる最高の着付の作法で、
「束帯」と呼ばれる貴族の正式な衣装の着付を後世に伝える役目を担っています。
 
2015年冬に放送されたザ・プレミアム「至高の美の守り人」で品川さんは、昭和天皇の「大葬の礼」、平成天皇の
「即位の礼」において着付を担当しておられました。「即位の礼」では野村さんが品川さんの助手をされていました。
 
2013.4.9 松琴亭
2013.4.9 松琴亭
 
野村さんが指さしているのは、青色の濃い市松模様は日に焼けていないことを示すため。
 
2018.10.17 松琴亭
2018.10.17 松琴亭
 
 
2013.12.11 蛍橋
2013.12.11 蛍橋
 
蛍橋は松琴亭から賞花亭へ向かう途中にあり、夏、ホタルが飛び交うことから名づけられたそうです。
 
2017.11.28 蛍橋
2017.11.28 蛍橋
 
 
2011.11.30 賞花亭
2011.11.30 賞花亭
 
かつて賞花亭には必ずといっていいほど暖簾があったのですが、はずされてしまい、何年も見たことはありません、
毎年のれんの意匠が異なり、たのしみにしていました。高台に位置する賞花亭の暖簾が風になびく姿は美しかった。
 
2018年11月以降の参観は有料になったことだし、のれんの復活を期待したいですね。
 
2014.12.9 賞花亭
2014.12.9 賞花亭
 
 
2018.10.17 賞花亭
2018.10.17 賞花亭
 
賞花亭手前のつくばいの背後は萩です。花の見頃は9月下旬〜10月初旬。すでに終わっていました。
 
2018.10.17 笑意軒
2018.10.17 笑意軒
 
「笑意軒」と記された額の下に六つの丸窓があります。窓の円形は同じでも、組み合わせた竹の意匠がそれぞれ異なり、風変わりというか目立たないところに凝る親王の品のよさを偲ばせる意匠です。
 
2018.10.17 笑意軒
2018.10.17 笑意軒
 
笑意軒の障子越しにみえるのは陸稲の畑。稲作をはじめた時期は知りませんが、大嘗祭ほかの行事に米をそなえて祈る
という天皇家古来の伝統を想起させます。
 
2013.12.11つくばい
2013.12.11つくばい
 
笑意軒のつくばいには桂離宮創建から明治期初期までは水だけがはられ、水に映る月を愛でたといいます。
いつのころからか小石が入れられ、美しい月を往時のようにみることはできなくなりました。
 
2018.10.17 笑意軒
2018.10.17 笑意軒
 
雪見燈籠のあたりからみる笑意軒です。
 
2018.10.17 園林堂
2018.10.17 園林堂
 
園林堂(おんりんどう)は持仏堂です。正面、観音開きの唐戸上方に後水尾天皇宸筆の「園林堂」の額がかかっています。
 
狂言「花子」に登場する夫、歌舞伎「身替座禅」の山蔭右京は、愛人花子(はなご)と密会するため嫉妬深い妻をたばかり、
自分の身替わりを持仏堂にこもらせます。山蔭右京得の奥方・玉の井は夫が持仏堂で座禅しているかどうか確かめにいく。
 
何度声をかけても衾(ふすま=ブランケットのような小型軽量の掛け布団)を外さずノーサンキューとばかりに首をふるだけの
そぶりに業を煮やし、衾を取り払ってしまう。
 
花子との逢瀬を愉しんで持仏堂にもどった夫は、身替わりに向かって「うふふと思い出し笑いをしながら、山の神は来なんだか」と
言う。そして衾をはずしてあらわれたのは。その先は申し上げるまでもありません。
夫のモデルは後水尾天皇、妻のモデルは後水尾帝の中宮・東福門院といわれています。東福門院は徳川秀忠の娘、家光の妹。
 
朝廷と将軍家の力関係を象徴しているかのような演し物です。園林堂をみると「身替座禅」の山蔭右京を思い出します。
 
2011.11.30 園林堂
2011.11.30 園林堂
 
「花子」、「身替座禅」の狂言師、歌舞伎役者はだれがやってもいいというわけのものではなく、狂言なら四世茂山千作、歌舞伎なら尾上菊五郎、
妻役は茂山千三郎、十世坂東三津五郎が演じると傑作でした。千作、三津五郎は旅立ち、菊五郎も年を取りました。
 
妻役はやんごとなき女御。おもしろいだけでなく品も必要です。大柄の役者がドタドタと出て客を笑わせるだけでは安いお笑い芸。
千三郎には嫉妬に燃えつつ品位を落とさない芸があり、三津五郎には悋気を見事に表現するハラと舞踊名人の気品、身のこなしがありました。
それでいて客席を笑いの渦に巻き込む。至芸というほかありません。
 
 
昭和から平成を駈けぬけていった名役者たち。そういう時代は二度ともどらない。来春(2019)で天皇は譲位され、元号がかわります。
平成天皇・皇后はご立派でおやさしく、務め以上のことを成されました。次の天皇も立派につとめられるでしょう。が、新皇后は?
 
2018.4.9 三角燈籠
2018.4.9 三角燈籠
 
笑意軒から順路に沿って歩を進めると三角燈籠があります。
笠、火袋、中台、脚のすべてが三角形というめずらしい燈籠。火袋の窓は四角形、
円形、三角形となっているのがおもしろい。
 
2013.12.11 土橋
2013.12.11 土橋
 
土橋の先に見えるのは書院。笑意軒から月波楼へ向かう途上の景色です。
 
2011.11.30 月波楼
2011.11.30 月波楼
 
 
2018.10.17 月波楼
2018.10.17 月波楼
 
月波楼の向こうにみえるのは紅葉山。
 
2018 10 17 紅葉山
2018 10 17 紅葉山
 
場所をかえて紅葉山をみています。
 
2018.10.17 月波楼
2018.10.17 月波楼
 
桂離宮参観のしめくくりともいうべき月波楼。月波楼からのぞむ紅葉山や松琴亭に魅了され、何年たったのでしょう。
 
2018.5.18
2018.5.18
 
月波楼からのぞむ松琴亭。松琴亭の市松模様のふすまも見えます。初夏は午後4時半になっても陽が高いので、撮影にはむいていません。
 
2018.10.17 松琴亭
2018.10.17 松琴亭
 
月波楼からのぞむ松琴亭は、陽が斜めにさす夕刻がステキ。桂離宮はほとんど最終参観の15時30分です。
 
2014.12.9 松琴亭
2014.12.9 松琴亭
 
月波楼からのぞむ松琴亭。
 
2013.12.11
2013.12.11
 
名残のもみじ。
 
2018.10.17 半月
2018.10.17 半月
 
2018年10月17日夕刻、桂離宮上空に上っていた半月です。桂離宮の月見台からみる満月は格別だそうです。夜の参観はないので
みたことはありません。が、時代を問わず、貧富の別なく、どこにいても青い空と美しい月をみることは可能です。生きてさえいれば。