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平成17年3月に誕生した八頭(やず)町は県東南部に位置し、郡家町、船岡町、八東町
の3つの町で構成されており、総人口1万7千人。郡家駅は八頭町の中心で駅舎も大きく、
観光協会などの施設が入っています。若桜鉄道の起点、もしくは終点です。
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天満山(てんまやま)の標高は207メートル。途中、急勾配の坂道もありましたが、伴侶は楽勝ペース。
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天満山は鳥取県有数の桜の名所として名を知られています。桜の木の正確な数は定かでないとして、
1000本以上あるとのこと。
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天満山の中腹まで天満山公園として整備されています。。パッと開けた場所もあり、反対側の見晴らしは良好。
このあたりは標高126メートル。
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この日は風が強く、天満山に登ったときも花吹雪が舞い散っていました。白っぽい粉に見えるのは桜の花びらです。
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反対側の景色。
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「春が来た」を作曲した岡野貞一(おかのていいち 1878−1941)は鳥取市出身です。
岡野貞一が作曲した唱歌「ふるさと」、「春の小川」、「朧月夜」、「もみじ」は思い出すだけで
胸がいっぱいになります。
旧制中学校の校歌の作曲も数多く、大阪府立第一中学校(現・北野高校)の校歌(作詞は土井晩翠)、
梅花学園校歌も岡野貞一作曲。
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天満山を「てんまんやま」とフリガナをつけているブログが多く、「てんまんざん」と呼んでいるブログもあります。
役場や観光協会に確かめず、好きなように呼んでいるのは八頭町や天満山に対してマナー違反というか失礼。
「てんまやま」と読むのが正しく、疑問を持つ人は八頭町観光協会 0858−72−0052 で確認してください。
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中腹の見晴らし良好の場所から少し上ると四阿が見えてきます。
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若桜鉄道に価値があるのは、郡家(こおげ)駅から若桜駅まで全線に鉄道施設が残されていることです。
線路、枕木などの交換はありましたが、給水塔や引込み線路など現在は使用されていない施設の保存状態が良い。
赤字ローカル線ということで設備投資がおこなわれていなかったことが逆に好結果をもたらしたというか、
ノスタルジックな雰囲気をかもしだす原因となったといえるでしょう。
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昭和5年(1930)竣工の隼駅は無人駅。郡家と若桜以外の駅舎は無人駅です。
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古い車両が駅舎のそばに置かれています。
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ホーム中央上に車両が見えます。
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ノスタルジーというほかない風景。ローカル線の人影のないホームに立つと、いつも同じ感慨にふける。
降りた駅。歩いた道。あのころに戻るのです。
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無人駅のホーム、古い線路、1〜2時間に1本の列車、連山、空。郷愁にひたるに十分な背景。
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理髪店の赤青白のサインポールが駅舎にかかっています。理髪店経営者の女性は駅舎管理人を兼ね、
舎内の小さな窓口で切符の販売もおこなっています。あいにくこの日(4月8日)は月曜、定休日。
ポールも動いておりません。
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安部駅の竣工は昭和7年(1932)。ホームの小さな建物が昭和初期をしのばせます。
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安部駅で平成3年(1991)12月一般公開された映画「男はつらいよ 寅次郎の告白」のロケがありました。
撮影は同年11月3日。
上下の画像を較べてみると、上の人気のないホームはうら寂しく、下の寅さんのいるホームは華やか。
喜劇俳優の面目躍如の感あり。
出演者でよかったのは、寅さんの叔父夫婦役・下條正巳&三崎千恵子、タコ社長役・太宰久雄。演技を感じず、
寅さんとの掛け合いが立体的で面白く、昭和30年代の雰囲気がただよい、みているうちに笑顔になっていきます。
渥美清(1996年没)、太宰久雄(1998年没)、下條正巳(2004年没)、三崎千恵子(2012年没)、
みな泉下の人となりました。
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若桜鉄道「安部駅」の時刻表.。若桜=郡家を毎日10本の列車が運行しています。若桜発鳥取行は郡家駅で乗り換え。
見てのとおり本数が少なく、2時間に1本しかない時間帯もあります。
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最上部の路線(JR)は山陰本線、左側が因美線、右側が若桜線(若桜鉄道)。
因美線と若桜線は郡家(こおげ)で交差。
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「男はつらいよ」全作のうち、みたのは半分くらい。そのなかで最高傑作は「寅次郎あじさいの恋」(1982)。
相手役のいしだあゆみもうまかったけれど、京都の陶芸家をやった13世片岡仁左衛門がすばらしかった。
品格。演技をまったく感じさせない芝居。渥美清も仁左衛門につられたのかいつにもまして好演。
大詰めで寅さんと再会したとき、渥美清のうれしそうな顔ったらなかった。演技では見せない笑顔。
13世片岡仁左衛門のテレビ出演は少ない。ドラマスペシャル「ザ・商社」(1980)の社主が印象に残っている。
美術品収集と芸術家育成を生きがいとしており、また、さまざまな情報をもとに社長以下の人事を掌握。
仁左衛門の荘重、磊落、洒脱、気品。不敵な笑み。終局の生き方に妙味があり、見事な作品となった。
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軽四貨物車の向こうにチラリと見えるのが安部駅です。
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桃、菜の花、桜が同時に咲いています。
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三脚をかついだ男性2人が駅舎に駆け込んできました。遠くで汽笛の音がして、私もホームへ駆け寄り
シャッターを切る。15:34発の郡家行です。男性2人は八頭町役場から来た職員。丁寧な挨拶でした。
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列車は2両編成。若桜鉄道は八頭町のシンボルというべき存在。列車の発着時刻を調べておらず、
15:34発に出会えるなんて思いもよりませんでした。
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運転手以外に人もわずかながら乗っているという証しとして掲載。乗客は数名でしたが。
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2両目の客車には日本海の魚を想起する絵が。イングランドやウェールズの保存鉄道はおおむね蒸気機関車で、
民間ボランティアの寄付と募金で経営が続き、運転手も車掌もボランティアです。日本は英国のようにいかないけれど、
若桜鉄道存続を願っています。鳥取県&兵庫県の有志が年間1人1000円、3万人の寄付があれば年3000万円。
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徳丸駅到着したのは午後4時15分ごろでした。一天にわかにかき曇り、台風なみの強風が吹きすさぶ天候。
横殴りの雨も心配。
車から一歩外に出ると、まともに立っていられず、線路沿いの電線も揺れています。えらいこっちゃ、長居はできない、
若桜駅まで途中の各駅に寄るのも憚られ、予定変更。
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八東川に架かる全長128メートルの鋼製10桁橋(昭和5年完成)。橋桁の間隔は一定ではなく、
13メートルと6、7メートル。八東川は鳥取市内を流れる千代川(せんだいがわ)水流最大の支流です。
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宝塚市から鳥取市へ車で行くには、中国自動車道の佐用ICで降り、国道53号線を北へ走り鳥取方面へ。
鳥取自動車道は佐用=大原間が一部開通、その後2013年に全線開通。全線約63キロは無料。
佐用から53号線を走っていたころの4月上旬、突然あらわれる桜並木を初めてみたときは目を見張ったものです。
車を降りて時を惜しむように花見したこともあります。53号線の代わりに鳥取自動車道を利用して何年経ったのか。
鳥取県智頭町は八頭(やず)町南部に位置。智頭駅(ちづ 因美線と智頭急行線が運行)から徒歩10分で
国道53号線沿いの千代川河畔に着きます。
智頭急行線はJR因美線に較べて列車の本数も利用者も多い。智頭町の人口は約6700人。
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上の掲示板に記されているように180本の桜が千代川沿い1300メートルに植えられています。
植樹は町民がおこなったそうです。
千代川の支流・八東川が流れる若桜鉄道「徳丸駅」での春の嵐も、ここに来ると花の精に歓迎されたのか、
天気が持ち直しました。心配していた雨も降らず、風もおさまり、快適なドライブを続行できてよかった。
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距離1300メートルの桜並木は珍しい。
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桜見物のあいだ歩いている人は老婆2人だけでした。向こうは向こうで私を老人とみていたかもしれません。
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うつろいやすいのは人の心と春の空。桜もいっぱいみたことだし、足もとの明るいうちに帰ろうっと。
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