2023年5月16日    ひとり旅だよ松山は
 
 2013年6月1日、松山市近郊出身の坊ちゃんが幹事のOB会。翌日、坊ちゃんの案内で松山城を見学する。1970年代半ば、坊ちゃんの結婚披露宴の前日、坊ちゃんの父親が手配してくれた市内のホテルで一泊。
付近を散策したかどうかおぼえておらず、披露宴当日も坊ちゃんパパ手配の道後温泉宿でレンガ積み。夕方から始め、食事を運んできた仲居が卓テーブル横に配膳してくれた。
 
 彼女が何を言っても生返事。片付けに来た仲居は、「こんな配膳は初めて。食べながら続けるお客さんはいませんよ。夜中もあいていますから温泉入ってください」。
結局、終わったのは深夜。新聞社の高山支局勤務だったU君が、「風呂を省いて帰るのもなんかヘン。入ってくるわ」と名古屋弁で言い、ほかの者や温泉好きでない小生もつかったと思う。
 
 2013年6月OB会から帰宅し、「ロープウェイやリフトに乗って行くお城も立派で、天主からの見晴らしもいい。近いうちに連れてってあげる」と伴侶に言って10年。小生の病気や何やかやで行けなかった。
航空会社の全国どこでも6600円スマイルキャンペーンに伴侶がスマホトライし、羽田行きや札幌行きはアクセスできず、松山なら取れるかと思った。空席は、往路は早い便(8時35分)、復路は遅い便(19時)しかなく、やむをえず購入。
 
 旅立ち当日、朝6時起床。電車で行くと言ったけれど、空港まで送っていくからと自宅を7時に出発。ふつうは20分、朝の混雑を見越しても30分で到着する。県道を右折し国道176号線に出ると渋滞。200メートルも行けば緩和されるはずが渋滞は続く。前方にパトカーもいて約40分ぜんぜん動かない。
ようやく動きはじめたと思えば、そこから先は通行止め。事故だと思って迂回路を通り、いまならまだ間に合うかもしれないと阪急電車「中山観音」駅へ。自宅から車で10分とかからない駅。伴侶がホームに上がったら梅田行き7時50分発が到着。「蛍池」駅に8時8分着。8時11分蛍池発のモノレールで空港着8時14分。
 
 空港駅から手荷物検査場まで4分、検査場に行列ができて手間取り、搭乗ゲート20番は奥の奥なので、8時35発の松山便の扉は閉っていたでしょう。とっさにN航空の地上勤務女性をつかまえたが、チェックイン(出発20分前)は終わっていますと型どおりの返事。「通行止めは昨日の大雨で川(宝怩ニ伊丹の境界)が氾濫したからだ」と主人が言っていたので、そういう事情で大幅に遅れたと彼女に伝えると、「わかりました」。
 
 8日午後のニュースで、境界あたりの「天神川」(天井川です)という川幅の狭い川の一部が護岸工事中で、大雨のためそこから崩れて大量の土が道路と住宅になだれ込んだそうです。
 
 トランシーバーで航空機のスタッフに連絡。手荷物検査を省き、VIP専用入口を通る。走るは走るは。なりふり構わず一目散。「バッグ、重かったろう」と聞くと、「懸命に走ったからバッグを持っている感覚はなかった」。出発はギリギリ間に合いました。数十年前、伴侶もN航空地上勤務中、乗客と一緒に走った。
 
 道後の旅館にバッグを預けて付近のガラスミュージアム見学後、正午前に「からくり時計」へ。そして大街道。大街道バス停を降りるとハンバーガー店が見えた。朝が早くコーヒーだけ、孤独のグルメは空腹状態だったから何でもOK。
食後、松山城のロープウェイ乗り場まで歩き、健脚を生かして城まで歩こうとも思ったが、結局ロープウェイではなく一人用リフトに乗る。
 
 松山城でのんびり過ごし、路面電車に乗って道後へ。旅館のレストランで能舞台のかがり火を見ながら夕食。。翌朝、道後温泉公園へ行ったあと、もう一度「からくり時計」を見学。商店街で親友の土産(今治タオル)を買って、商店街を出てすぐの瀬戸内料理「金兵衛」で鍋焼きうどんを。旅館「ふなや」前を通りかかったら老人が話しかけ、ふなやの由緒を説明。
 
 泊まった宿に引き返してバッグをピックアップ、路面電車で大街道へ。坊ちゃん列車は2日連続運休でした。黄金週間が明け、土日以外は運休なのかもしれません。前日、大街道停車場前に発見した三越に寄り、コインロッカーにバッグを放り込み店内でお茶。窓の外をぼんやり眺めていると「二番町」という標識が目に入りました。
 
 「第9回庭園班OB会」にアップした「二番町の若旦那」の写真を思い出す。高岡のHN君が楽しそうに能舞台を上がってゆく写真、二次会のカラオケ後、Uさんの部屋で白ワインを飲みながら歓談したときの話。KYさんが昼食に予定していた鍋焼きうどんの店が閉っており、とりあえず旅館(OB会場)に入る。
地元幹事の坊ちゃんが待ち受けていて、「昼、食っとらんのか。後輩(欠席)がワイン2本送ってきた、チーズタラもあるけん」。歓談時、「1本はKと飲んだ」と坊ちゃんは言うが、「ほとんどひとりで飲んだ」とKY君は言っていました。
 
 高岡のHN君が坊ちゃんにおねだりし、とうとう坊ちゃんも折れて深夜の街へ。それが二番町。ほとんど朝帰り。その日、OB会の面々と坊ちゃん列車に乗り大街道で下車、坊ちゃんの勤務先関係者のガイド付きで松山城見学。願いがかなった二番町の若旦那はご機嫌でした。
 
 坊ちゃん列車内で撮影したOB(A君、KY君、坊ちゃん、HK、小生など)の顔と様子が独特。そんなことも伴侶は思い出したかもしれません。1泊2日の短い旅だったけれど、思い出の小箱を開けてフィードバック体験する楽しい旅でした。
 


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