南西フランス・ミディピレネーのロット県には小さく美しい村が多く点在する。ロット県北東のオートワールもそんな村のひとつ。
ロカマドゥールからD673を東北東に18キロほど進み、D38を左折し3キロ行けば到着する。人口は340人前後で推移。
シャトー・リマルグ&サン・ピエール教会
 シャトー・リマルグ&サン・ピエール教会
 
7月の日中の気温が30℃を上回る日は少ない。30℃以上になっても空気が乾燥しているので過ごしやすい。
沿道に夏の花タチアオイが咲いていた。
 
シャトー・リマルグ
シャトー・リマルグ
 
リマルグ城はシャルル8世(1470−1498)麾下の騎士によって15世紀後半に建てられた。
 
シャルル8世といえば、ナポリ王国に戦争を仕掛け、力尽くで奪いナポリ王となる。
ローマ教皇アレクサンドル6世(1431−1503)、ヴェネチア共和国、ミラノ公国が同盟を結びシャルル8世を
フランスに追い返した。結局フランスに残ったのは膨大な戦費をまかなうための負債だった。
 
アレクサンドル6世はスペインのボルジア家出身のローマ教皇で、息子にチェーザレ・ボルジア、
娘にルクレツィア・ボルジア。チェーザレ(1475−1507)はフィレンツェ共和国のマキャベリ(1469−1527)と
交流があったと伝えられている。
 
その権謀術数はジェレミー・アイアンズ主演(アレクサンドル6世)のドラマ「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族」に詳しい。
中世〜近世のヨーロッパ史は途轍もなくおもしろい。城、廃城ほかの建築物は彼らを偲ぶよすがとなるのである。
 
シャトー・リマルグ
シャトー・リマルグ
 
シャトー・リマルグのうしろにそびえる断崖にはシャトー・アングレが屹立している。
 
階段の塔 シャトー・リマルグ
階段の塔 シャトー・リマルグ
 
 
 
 
サン・ピエール教会
サン・ピエール教会
 
サン・ピエール教会は11世紀に建造。小規模だが素朴な佇まい。背景の断崖がステキ。
 
サン・ピエール教会
サン・ピエール教会
 
 
 
中世の建造物と背後にそびえる断崖があるから絵になる。
 
 
 
 
 
シャトー・リマルグから滝への道中
シャトー・リマルグから滝への道中
 
 
道案内
道案内
 
上から1枚目は駐車場へのルート&滝&滝のビューポイント、2枚目は滝の麓、3枚目はシャトー・アングレの標識。
 
滝のビューポイント
滝のビューポイント
 
滝は石灰岩質の崖の裂け目から噴出・落下している。
 
オートワール滝
オートワール滝
 
落差30メートルとそんなに壮烈でないとして勢いはかなりのもの。天然クーラーがよくきいている。
 
 
シャトー・アングレへの道中
シャトー・アングレへの道中
シャトー・アングレへの道中
シャトー・アングレへの道中
 
眼下にはオートワール村の家並み。右端中央よりにポツンと離れた一軒家(ひとつ窓の四角い家)が見える。
15世紀後半建造の礼拝堂だ。シャトー・リマルグを建てた騎士がひそかに祈りを捧げたのだろうか。
 
オートワール村の家並み
オートワール村の家並み
シャトー・アングレへ
シャトー・アングレへ
 
シャトー・リマルグ近辺からここまで70分ほど。途中から森に入り、急勾配の隘路をぬける。あと10分。
 
 
 
シャトー・アングレ
シャトー・アングレ
 
高さ150メートルの岩盤の崖にぶらさがるように立つ廃城は、28メートルの高さがあるという。
(アングレは仏語のイングランド) ほとんど原形をとどめていない。
 
シャトー・アングレ
シャトー・アングレ
 
1930年代に撮影されたという絵はがき。
山道の幅は細く、手すりもない。それでも旅人は来た。
 
シャトー・アングレ
シャトー・アングレ
 
この塔は15世紀につくられたという。入口付近は2013年に修復された。
 
シャトー・アングレ 入口
シャトー・アングレ 入口
 
入口部分をみると最近(2013年)新たに工事が施されたことがわかる。
 
シャトー・アングレ
シャトー・アングレ
 
この城壁は13世紀につくられた。断崖絶壁、難攻不落の要塞というほかない。
 
シャトー・アングレ
シャトー・アングレ
 
13世紀建造の城壁。
 
シャトー・アングレ
シャトー・アングレ
 
こういうところに攻め込む兵士がいた。強者というか命知らずというか。
 
ルレ・ド・カステルノー
ルレ・ド・カステルノー
 
「ルレ・ド・カステルノー」という名のプチホテル。オートワールの北西3キロの至近距離。ルブレサック村にあり、
クラシックモダンの瀟洒な宿。部屋数40。手頃な宿泊料金はダブル・ルーム80ユーロから(2017)。営業は4月〜10月。
 
カフェ・コーナー
カフェ・コーナー
 
 
 
部屋は16世紀の民家を改装。屋外レストラン、スイミングプールなどはもちろん後付け。
ロケーション、眺望など田舎のプチホテルにふさわしい条件を満たしている。
 
ロカマドゥールにも近い(北東へ24キロ)ので混み合う夏期の宿泊はここ。ツアー客もいない。
朝食が難。コーヒーほか美味でもないのに高い。夕食のアラカルトは25〜45ユーロ(2017)。
 
ルブレサック
ルブレサック
 
ルブレサック村は人口430人ほどの小さな村。オートワール村に較べると、村も人口もほんの少し大きい。または多い。
がしかし、オートワールのように見るべきもの、歩くべき場所は少ない。
 
ルブレサック
ルブレサック
 
ルブレサック村は高台にあるせいか、空気が乾燥して、空気のぬけぐあいもいい。つまり写真撮影に向いている。色のりがいいのだ。
 
ルブレサック
ルブレサック
 
 
ルブレサック
ルブレサック
 
 
ルブレサック
ルブレサック
 
年代物のシトロエン。ミディピレネーの小さな村になじんでいる。標識の「AUTOIRE」=オートワールまで約4キロ。
車の色に青が加わったら三色旗。そうしなかったのは目立つから、あるいは陳腐だから。
 
 
噴水 オートワール
噴水 オートワール
 
ふたたびオートワール。
 
噴水 オートワール
噴水 オートワール
 
右隅にまたもや色違いのシトロエン。この年式のスタイルはいまなお人気があるということです。
 
シトロエン オートワール
シトロエン オートワール
 
噴水を背にしてクラシックカーを撮影。
 
噴水 オートワール
噴水 オートワール
 
村の広場に噴水があり、イルカが口から水を出している。
イルカはぜんぶで4匹いる。
 
 
 
オートワール
オートワール
 
 
オートワール
オートワール