南西フランス・ミディピレネーのロット県東部の町フィジャックは中世からサンチャゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の
宿場町として栄えた。ローマ時代以来、様々な歴史にふちどられたフィジャックだが、9世紀初頭こんな山間部の奥地まで
ヴァイキングが押し寄せ略奪に精を出したとは、当時のヨーロッパでヴァイキングの存在が脅威となっていたのもわかる。
 
9世紀半ばにはフランス北部からわざわざノルマン人がやって来て、フィジャックの住民を殺戮した。殺されたのは
市民だけではない、修道士60人も犠牲となったのである。
そんな歴史のまにまに翻弄されたフィジャックが栄えたのは上述のごとく中世、13世紀になってからのことだ。
14世紀になってフランス国王から公民権を認められたフィジャック市民は、15世紀には市街にめぐらせる城壁、監視塔などの
認可も得た。国内で宗教戦争が勃発した16世紀、ユグノー(カルヴァン派=新教徒)の第10回全国宗教会議が開催された
のもフィジャックである。
 
18世紀に入って城壁は取り払われ、19世紀にはトゥールーズから鉄道が敷かれ、フィジャック駅が誕生する。
20世紀、第二次大戦中にフィジャックはレジスタンス活動の一大拠点となってドイツ軍に抵抗、ドイツはレジスタンスつぶしに
躍起になり、フィジャック市民約800人を逮捕、うち540人はハンブルグやミュンヘン郊外(ダッハウ)の強制収容所送りと
なったが、それでもレジスタンス活動はおとろえることがなかったという。
フィジャック 聖書の床
聖書の床と呼ばれる黒花崗岩の床は、ジンバブエにあるロゼッタストーンの複製。
1991年4月につくられた。(色の特徴は4つ下の画像を参照)
フィジャック 聖書の床
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャック
窓枠と扉の意匠もさることながら、鏡のような、だまし絵のようなガラス窓がおもしろい。
フィジャック
フィジャック 聖書の床
聖書の床のサイズは約14X7メートル。光のあたりぐあいで黒花崗岩の色は微妙に変化する。
フィジャック 聖書の床
フィジャック 聖書の床
フィジャック 聖書の床
フィジャック 聖書の床
黒花崗岩本来の色は青みがかったダークグレイ。
フィジャック 聖書の床
フィジャック 聖書の床
フィジャック 聖書の床
フィジャック
狭い通りに居並ぶ建物のあいだから見える建物。
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャックの人口は約9800人。ロット県の町としてはまずまずの規模。200〜400人程度の村を歩いてくると、でかい。
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャックには2003年創業の無料バスがあって、28人乗りのミニバス、
70人乗りのバスが運行している。コミニュティ・バスの草分けである。
フィジャック
フィジャック
直角に交差する建物の窓と窓をつなぐバルコニー。何のために、と想像をめぐらせる。
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャック
街歩きはどこでもそうだが、表通りより隘路、路地を歩くことに妙味がある。なにがしかの出会い、発見が旅人を待ちうけている。
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャック
ランチタイム
ハム、ベーコン、チーズなどを挟んだバゲットを仲良く食す。この子らがレジスタンスの子孫かもしれない。
腹が減っては戦ができぬ。
ランチタイム
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャック
フィジャックの家並み
三方が丘に囲まれたフィジャック。夜の闇にまぎれて丘陵の木々のあいだを駈けていったレジスタンスのすがたが浮かびあがる。
フィジャックの家並み
フィジャック
フィジャック
フィジャック
サンチャゴ・デ・コンポステーラの道しるべ。先端のホタテ貝のしるしでそれとわかる。ROCHE(ロシェ)は岩の意。
フィジャック
カルダヤック 聖トーマスの塔
フィジャックからN140を北西に4キロ進み、カルダヤックの標識のある地点でD15を北に6キロ行けば、人口500人ほどの村カルダヤックだ。
フィジャックからカルダヤック村まではほとんど登り道で、D15は道幅が狭い。対向車に注意しながらのドライブとなる。
 
中央の四角い塔は聖トーマス礼拝堂。1064年に工事がはじまり、13世紀半ばに完成した要塞。屋上に上れば村全体を眺望できる。
カルダヤック 聖トーマスの塔
カルダヤック
カルダヤック村は12世紀にカルダヤック家(地方豪族)によって城壁が築かれ、聖トーマス礼拝堂もラウンドタワー(後述)も城壁のなかに入っている。
英仏の百年戦争(1339−1453)中に戦場となったこともあり、1598年、宗教戦争のさなか、村はプロテスタントの拠点となったという。
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
聖トーマス礼拝堂の屋上から撮影した民家(上)を平面から撮影。
カルダヤック
民家 カルダヤック
この家、半分は岩に埋め込まれている。
民家 カルダヤック
カルダヤック タチアオイと聖トーマス礼拝堂
タチアオイの花期は長い。小さな村にぴったりのノスタルジックな花。
カルダヤック タチアオイと聖トーマス礼拝堂
円塔 カルダヤック
この塔も13世紀建造。ラウンドタワーという別名もある。
円塔 カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
サン・ジュリアン教会 カルダヤック
 サン・ジュリアン教会 カルダヤック
カルダヤック
右にサン・ジュリアン教会の塔が見える。
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤックには、ミディピレネーのほかの村々どうよう絵になる民家が軒を連ねる。
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
骨董品店 カルダヤック
「Brocante」は骨董の意。
骨董品店 カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック
カルダヤック